教皇フランシスコと「結び目を解く聖母マリア」
1986年、当時まだ神父だったホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(教皇フランシスコ)は、博士論文を完成させるため留学し、ドイツ・フランクフルト市のイエズス会神学院に在籍していました。
故国アルゼンチンは、軍事政権下の暴力と混乱の時代からようやく抜け出そうとしていました。教会も修道会も、さまざまな力にさらされ、翻弄され続けてきました。そこから抜け出し、かすかな光が見えてきた、そんな時にベルゴリオ神父が出会ったのがこの「結び目を解く聖母マリア」のご絵だったのです。故国で多くの人びとの苦しみを見続けてきたベルゴリオ神父にとって、このご絵はまことの心の安らぎを与えてくれる1枚となったのかもしれません。
アルゼンチンに戻ったベルゴリオ神父は、手紙を出す際にはこのご絵の複製を必ず同封しました。のちにベルゴリオ神父の友人による模写を見たブエノスアイレスの司祭の希望でこのご絵がかれの教会で飾られるようになると、より多くの人びとの目に触れるようになり、「結び目を解く聖母マリア」への信心はまたたく間にアルゼンチン全土へと広がっていったのです。
(参考 ドンボスコ社「カトリック生活」2013年8月号
故国アルゼンチンは、軍事政権下の暴力と混乱の時代からようやく抜け出そうとしていました。教会も修道会も、さまざまな力にさらされ、翻弄され続けてきました。そこから抜け出し、かすかな光が見えてきた、そんな時にベルゴリオ神父が出会ったのがこの「結び目を解く聖母マリア」のご絵だったのです。故国で多くの人びとの苦しみを見続けてきたベルゴリオ神父にとって、このご絵はまことの心の安らぎを与えてくれる1枚となったのかもしれません。
アルゼンチンに戻ったベルゴリオ神父は、手紙を出す際にはこのご絵の複製を必ず同封しました。のちにベルゴリオ神父の友人による模写を見たブエノスアイレスの司祭の希望でこのご絵がかれの教会で飾られるようになると、より多くの人びとの目に触れるようになり、「結び目を解く聖母マリア」への信心はまたたく間にアルゼンチン全土へと広がっていったのです。
(参考 ドンボスコ社「カトリック生活」2013年8月号
ご絵「結び目を解く聖母マリア」について
16世紀、妻が自分と離婚したがっていると知ってショックを受けたドイツ人貴族ヴォルフガング・ランゲルマンテルは、イエズス会のレム神父に相談に行きました。その当時の結婚式では、新郎新婦の腕をリボンで結ぶのが習わしでした。かれは、今ではもつれ、からんでしまたリボンを持って行ったのです。それはかれら自身のようでした。神父はそのリボンのもつれを解きながら、彼らのために熱心に聖母に祈りました。すると、願いは聞き入れられ、夫妻は離婚することなく幸せに生涯を過ごすことができたのです。
夫妻の孫で司祭となったランゲルマンテル神父は、アウグスブルク市の聖ペトロ・ペルラッハ教会が、1700年に、来る新世紀を祝って新たな祭壇を作る際に、つねづね聞いて感銘を受けていたこの出来事をもとに絵を描かせ、祭壇画として寄贈したのです。
天使に囲まれた聖母は、聖霊の光に照らされ、12の星をまといながら、悪魔である蛇を踏みつけて立っています。右側の天使から渡されるリボンの結び目を解いては、左側の天使へと渡してゆきます。最下部の二人の人物は、天使に導かれて神父のもとに相談に行くヴォルフガングとも、大天使聖ラファエルに付き添われるトビアスともいわれています。
単独での祝い日はありませんが、8月15日または12月8日の聖母の祝日に合わせて祝われたり、ランゲルマンテル夫妻の問題が解決した9月28日(大天使聖ラファエルの祝日の前日)に記念されたりします。
結婚生活だけでなく、人生にはさまざまな困難な問題がつきまといます。その困難という結び目を聖母マリアが解いてくださると、この「結び目を解く聖母マリア」への信心が全世界に広がっていったのです
夫妻の孫で司祭となったランゲルマンテル神父は、アウグスブルク市の聖ペトロ・ペルラッハ教会が、1700年に、来る新世紀を祝って新たな祭壇を作る際に、つねづね聞いて感銘を受けていたこの出来事をもとに絵を描かせ、祭壇画として寄贈したのです。
天使に囲まれた聖母は、聖霊の光に照らされ、12の星をまといながら、悪魔である蛇を踏みつけて立っています。右側の天使から渡されるリボンの結び目を解いては、左側の天使へと渡してゆきます。最下部の二人の人物は、天使に導かれて神父のもとに相談に行くヴォルフガングとも、大天使聖ラファエルに付き添われるトビアスともいわれています。
単独での祝い日はありませんが、8月15日または12月8日の聖母の祝日に合わせて祝われたり、ランゲルマンテル夫妻の問題が解決した9月28日(大天使聖ラファエルの祝日の前日)に記念されたりします。
結婚生活だけでなく、人生にはさまざまな困難な問題がつきまといます。その困難という結び目を聖母マリアが解いてくださると、この「結び目を解く聖母マリア」への信心が全世界に広がっていったのです